水沢あきと | 雑記帳

~ライトノベル書き(超駆け出し) 兼 文系SEもどき による雑記帳

心の拠り所としての民俗宗教

昨日は学会のお手伝いに行って来ました。学生時代の友人(現在、博士課程に所属)に、「人が足りないので手伝って」と言われたからです。久しぶりに訪れた母校では、相変わらず銀杏並木がきれいで、思わず○年前の学生気分に戻ってしまいました。
さて、今回の学会は民俗学系の学会で、テーマは次のようなものでした。女性の宗教的力が、彼女たちの人生における精神的な危機的状況、あるいは彼女たちをとりまく社会における危機においてどのように発現していったのか、そして、それがどのような形で社会(共同体)に作用していったのか、ということを見直すことで、男性を中心とした宗教観にのみフォーカスしていた歴史叙述の偏りをただすと同時に、それらを検証することで、近代国家という枠組みを超えた(=国境を超えた)民俗文化の理解をすすめたい、というものです。
発表は宗教社会学から文化人類学、民俗学まで様々な研究者によってなされましたが、その中でも刺激を受けたのが、在日Koreanの女性たちが、様々な精神的危機に直面した後、大金を払ってまで「クッ」という朝鮮の儀礼を執り行うことに固執するようになった過程を綿密なフィールドワークおよび聞き書きによって描き出していった発表でした。発表者の方も在日の方で、僕が研究者の卵だった時代からもおつきあいさせていただいていた方ですが、発表者がこれまで歩んできただろう人生と、そして、それをふまえた上で在日のオモニたちから聞き取った苦難に満ちた人生、そして「クッ」にこだわる「心」といったものの「事実」に圧倒されてしまいました。それはその発表者の共感力のなせる業であることは言うまでもありませんが、その一方で、人間が国家とか組織といった大枠の中で精神的危機に直面したとき、己の生まれ育った地域で営まれていた宗教的儀礼がいかにその人の心の安定に寄与するものであるかということを知り、そしてそれが彼女たちの生きる力に転化されていくというところに、人間という生き物のすばらしさを見たような気がするのです。
ところで、我々が社会で生きていく上では、なにがしかの精神的なよりどころを必要としていることは言うまでもありませんが、昨今の日本では、民俗宗教の崩壊(=祖霊を意識せずに生きていく人々が急速な都市化によって増えた)がすすみ、人々が本当の意味での心のよりどころを失っているようにも思えます。それが価値観の揺れ動く現代においては、人々に不安をもたらし、社会にとってさまざまな負の影響を与えているようにも思えるのです。ゆえに、我々が高度経済成長の過程であえて捨て去った「民俗宗教」というものの重大性を、今一度、問い直す時期に来ているような気がしています。

口琴って知っていますか?

041029koukin-2口琴は竹もしくは金属で出来た小さな楽器。弁があって、口の側でその弁を弾くことで様々な音を出すことができる楽器です。参考→Wiki:口琴

041029koukin口琴の存在を知ったのは、学生時代の研究室の後輩が数少ない口琴マニアだったことから。そのとても小さな楽器から奏でられる素朴な音色に魅せられてしまったのでした。中央アジアに旅行に行ったときも、旅先の露天で口琴を買い求めたりしました。口琴で奏でられる音は草原の風に良く似合うと思います。まるで口笛を吹くようなその小さな楽器は、大自然の隅っこで小さく生きるべき人間たちが持つにふさわしいからでしょう。ちなみに自分にとっては、変化の激しい、ともすれば非人間的とも言える業界で働く身であるゆえ、口琴と向き合うことは自分と向き合うことになっています。

農耕神としての狐

041025kitsune狐に対してどんな印象をお持ちでしょうか? 人間を化かす妖怪? 人間に取り憑いて悪さをする悪霊? でも、狐は本来は稲荷の使者として崇められていた存在です。基本的には狐火、狐の作り立てなどの名称からわかるように、農耕神(=田の神)としての位置づけがなされていたわけですね。狐火が春先に山から下りてくるのを見て、山の神が田の神になった、と考える地方もあったようです。

それにしても、いつから人間は狐さまを恐れるようになってしまったのでしょうね? きっとそれは人間が狐様に敬意を払わずに、好き勝手に自然を荒らしたことの後ろめたさからかもしれませんね。心優しい狐様は、荒々しい人間たちに怯えて暮らしているだけだったんですけれどね。 
http://www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/637_13341.html

雨漏りだっ!

寮の一大イベントといえば、まあいろいろ思い浮かびます。代表的なものに、深夜の風呂場で女子とドッキリだとか、管理人の少女との間に甘い恋が芽生えたりだといったものがありますが、そんななかでももっともモピュラーなイベントに遭遇することができました。そうです雨漏りです。

昨晩からキッチンの方でなんかぱたぱた変な音がするなぁ、と思っていたんですよ。でも、仕事で疲れていたのでそのまま気にせず寝てしまったんですよ。そしたら朝起きてあらびっくり。キッチン周りが水浸し。なんと雨漏りですよ、雨漏り。天から天使じゃなくて、女の子でもなくて、水が降ってきちゃいましたよ。とりあえず出社時間も近かったので、鍋をセッティングして部屋を出ましたけどね。んでもって、会社から帰ってきて早速管理会社の人に電話しましたけど、「明日、様子を見にうかがいますので、バケツで溜めておいてください」と言われちゃいました。24時間365日の駆けつけオンサイト保守……なんてものは期待しちゃいけません。あれは高いんですから。ええ、サービス作っている側からすればよーくわかりますよ。台風のどまんなか、管理会社の人を呼びつけるなんて真似はしませんよ。それは人間のやることぢゃありません(泣)

……ぽたん、ぽったり、ぽたん……

眠い。お腹空いた

041019dangoなんちゅーか、新サービスだの個別案件だの、頭がぐらぐらしてしまってもうどうしようもないけれど、ああやべえ午前2時45分じゃねえか。なんで俺はこんなモーレツサラリーマンやってるんだこんちくしょう、なんて言っても今更はじまらないが、あぁ、萌萌な巫女さんとお団子一緒に食べたいと思う今日このごろ。

プロフィール

水沢あきと

物書きの端くれ。KADOKAWA 電撃文庫様/メディアワークス文庫様、星海社様等でお仕事させていただいております。
ご連絡は、
akito[at]kazura84.
sakura.ne.jp
まで。
※[at]を@に変えてください。

刊行作品
新刊!
『かつてゲームクリエイターを目指してた俺、会社を辞めてギャルJKの社畜になる。』
電撃文庫
2023年7月7日発売
著/水沢あきと イラスト/トモゼロ

『かつてゲームクリエイターを目指してた俺、会社を辞めてギャルJKの社畜になる。』



『僕とAIドクター・深見マナの謎解きカルテ 研修医と眼科AIの診療日記』
星海社FICTIONS
2021年7月16日発売
著/水沢あきと イラスト/のう

『僕とAIドクター・深見マナの謎解きカルテ 研修医と眼科AIの診療日記』



『CEO生駒永久の「検索してはいけない」ネット怪異譚 ~IT社長はデータで怪異の謎を解く~』
メディアワークス文庫
2021年6月25日発売
著/水沢あきと イラスト/およ

『CEO生駒永久の「検索してはいけない」ネット怪異譚 ~IT社長はデータで怪異の謎を解く~』



『取締役は神絵師』
LINE文庫
2019年9月5日発売
著/水沢あきと イラスト/笹森トモエ

取締役は神絵師



『下町ツバメの雛たちへ ワケあり女子、立ち退き屋になる』
メディアワークス文庫
2019年2月23日発売
著/水沢あきと イラスト/はしゃ

下町ツバメの雛たちへ ワケあり女子、立ち退き屋になる。



『転生したSEは、異世界にインターネットを創造する2』
星海社FICTIONS
2019年3月17日発売
著/水沢あきと イラスト/荒川眞生

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『転生したSEは、異世界にインターネットを創造する』
星海社FICTIONS
2018年10月15日発売
著/水沢あきと イラスト/荒川眞生

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『あやかし会社の社長にされそう。』
メディアワークス文庫
2017年10月25日発売
著/水沢あきと イラスト/Gれ

あやかし会社の社長にされそう。



『天使のスタートアップ』
星海社FICTIONS
2017年6月15日発売
著/水沢あきと イラスト/巻羊

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『天然石ねこまち堂は坂の上』
メディアワークス文庫
2016年11月25日発売
著/水沢あきと イラスト/草壁

天然石ねこまち堂は坂の上



『やくしょのふたり』
メディアワークス文庫
2015年11月25日発売
著/水沢あきと イラスト/人米

やくしょのふたり



『アイドルとマーケティングの4P』
メディアワークス文庫
2014年8月23日発売
著/水沢あきと イラスト/浜弓場双

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『彼女と僕の伝奇的学問(3)』
メディアワークス文庫
2013年10月25日発売
著/水沢あきと イラスト/浜弓場双

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『彼女と僕の伝奇的学問(2)』
メディアワークス文庫
2012年12月25日発売
著/水沢あきと イラスト/浜弓場双

now



『彼女と僕の伝奇的学問』
メディアワークス文庫
2012年8月25日発売
著/水沢あきと イラスト/浜弓場双

now



『不思議系上司の攻略法(3)』
メディアワークス文庫
2011年12月26日発売
著/水沢あきと イラスト/双

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『不思議系上司の攻略法(2)』
メディアワークス文庫
2011年7月25日発売
著/水沢あきと イラスト/双

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『不思議系上司の攻略法』
メディアワークス文庫
2010年11月25日発売
著/水沢あきと イラスト/双

会社の年下上司がメイドさんだったりするお話。主人公はSEです(汗) →詳細情報はコチラ

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『りんぐ&りんく! 』
電撃文庫
2009年10月10日発売
著/水沢あきと イラスト/木場智士

風呂が壊れて銭湯に行った俺を待ち受けたのは隣のクラスの美少女市瀬さん。風呂を壊した犯人だという彼女は俺を脅して「あたしの所有物になれ」と言い出して!? →詳細情報はコチラ

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『風の砂漠、風の塔』
電撃hp Vol,40 所収
2006年2月10日発売
著/水沢あきと

第6回電撃hp短編小説賞〈銀賞〉受賞作。風が死んだ砂漠に建つ風車に住む『風守の少女』と、生きる意味を探す少年兵の物語。→詳細情報はコチラ

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